後輩的知見によるポワンドゥビュ

個人的に堅実なお金の使い方をするタイプだと思っている。必要ないと少しでも感じたものにはとことん金を使わない方法を選ぶ。光熱通信費、散髪代(自分で刈ってしまう)や交通費など。
人はケチだというが、使うべき対象だと思った事にはあまり糸目を付けない。食材やトレーニング、ケア用品など。趣味は時と場合による。

しかし、それが災い?してファッションに関する事については、てんで音痴である。その分野に関してのアンテナというか意欲が全く機能していない。
なぜかと考えると、高校を卒業してからはスポンサーのついたチームに所属してアフタージャージ等も支給されたので、着るものに困らないといえば困らなかった。何より高機能で過ごし易いジャージが多いので、現在でもメディアの目に触れる事も無いのに1日のサイクルを支給品のジャージで過ごしている、といったことが日常茶飯事に起こっている。
そんなこんなで、どうにも新しく服をおろそうという気が持てないのである。
もちろん、しかるべき時の為にきれいに使うようにはしているが。

そんな小生であるが、ファッションにおいて人に負けないというか、自分のポリシー、理念、自信を持っている分野がある。
それはサイクルジャージのセンスに関しては人に負けないと思っている。

元々に小学生の頃から美術の作品がよく市の発表会に展示されたり、中学時代の美術の成績は4以上しか取っていなかったので、美的センスというのは少なからず持っていたようだ。
お洒落の国、おフランスのアマチュアチームのジャージというのはプロチームにも勝る、言葉では説明できない何か強烈な個性やセンスを感じさせ、各チームがいかにスポンサーを目立たせるか鎬を削っている。
多感な10台後半時代をそんな彼らの集団の中で揉まれたことで、ファッションセンス(ただ普段の服には反映されてはいない)が研ぎ澄まされたに違いない。

フランスの中でも、北と南ではデザインの雰囲気が違う気がする。北は流行を取り入れたりセンスが光るデザインが多くて、年ごとにデザイン変更があったりする。南はクラシカルで「ザ・ロードレース」なデザインが多い傾向があって、基本的なデザインにあまり変更がない気がする。
ちなみにキナンのレーサージャージは加藤GMがデザインされているということであるが、さすがフランスの同じ地域にいらっしゃった先輩、ポイントを抑えていらっしゃる。
キナンのジャージはどことなく北フランスのチームのような雰囲気が感じられて、洗練されているデザイン。実は3年前に発足した当時からその事を感じていて、他チームにいながらも「すごくいいなぁ」と思っていた。
あくまで個人的な見解です。

しかし、どうにも使いたいデザインでも使えないパーツがあったりする。
シューズに関しては、やはり足に合っているかが重要なので、デザインだけでは選びきれない所である。また、シューズはどうしても保守的に王道で無難な色を選んでしまいがちだ。


そんな折、このような物が届いた。


今年から足元を支えてくれる、NORTHWAVE EXTREME RR

一目見て、"cool"と思わずにはいられなかった。
近年爆発的に流行して定番カラーとして定着しつつある蛍光イエローというものを、前から一度身に着けてみたかったのだ。イタリアチームがこの蛍光カラーを身に纏っているのを初めて見たときには、衝撃を受けたものだ。
しかし、なかなか履く機会がない月日を経てきた。


黒か白のシューズくらいしか色の選択肢がなかった時代のロードレース界に、当時としては斬新で最先端となる赤と黄色のデザインを取り入れたシューズで衝撃を与えた、NORTHWAVEである。
そんなNORTHWAVEが、新しい技術を取り入れたシューズを世に送り出した。


特許を取得したXframe構造によって、SLW2ダイヤル1つだけで足全体を均一に締められる感覚が得られる。
この構造が実によくできていて、一見すると明らかにどこか一箇所だけ締められていきそうな気がするが、ジワーッと均一に面で締めこまれていく。


ワイヤーがとてもしなやかなので、どこか一箇所が最初に締められるとワイヤーが通し穴を「するする」と抜けていき、それ以上締めこまれず他の部分と均一の締め具合まで調整してくれる。


ワイヤーを手にしてみると本当に細くて毛糸のように柔らかく強度に不安を感じるが、パラシュートに使われるワイヤーよりも強い強度をもっているとのことである。
アッパー生地が0.5mmとかなり薄いが、履いた感じでわかるのだが、かなりの強度でしっかりしていて、しなやかだが伸びたりよれたりしないのがとても好印象だ。


ヒール部は深めでがっちりホールドされる印象。
滑り止め効果のあるサメ肌生地が、ずれを抑えて安定した履き心地をサポートしてくれる。

そして、その手に持った瞬間に感じる軽さたるや、今まで履いてきたシューズよりも大きなアドバンテージを得られるに違いない。
競技において回転部、とりわけクランク部の軽量化は数字以上の効果が体感できる部分なので、絶対軽い方が良い。


ソールはフラットで、とても薄く、軽く、硬い。
ソールだけのサンプルを見させていただいたのだが、紙の様な軽さと薄さにも関わらず、力を目一杯加えても1mmとしならずにビクともしなかった。

早速履いてみたが、素晴らしい履き心地だ。
ゼロプレッシャーとはよく言ったものだと思うが、ここまで足が包み込まれるようなフィット感は、自転車用に限らず、あらゆるジャンルの靴でもなかなかないのではなかろうか。誇張なしに足全体が均一にホールドされる。
これならば、かなりの範囲の足型をカバーできると思われる。

あと個人的に思うことがあって、あまり宣伝されてないようなのだが、かなりエアロな効果があるのではないかと。
ここまでシームレスなシューズはあまり見たことがないので、個人的にちょっとお気に入りな点であったりする。

あと、何より目立つ。ロードレースは目立ってナンボであるのだ。


PODIUM 2
ロードシューズだけでなく、ポディウムシューズも。
目立つ。

しっかり履き込んでゆこう。

ウィンクレル株式会社
NORTHWAVE JAPAN
NORTHWAVE



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