傷心


...胸に風穴が空いた、とはよく言ったものだ。
これからもずっと、このままだと思っていたことが、ふとした瞬間にこぼれゆく。

別れはいつもそう。
本当は少しずつ、少しずつ、離れているのに、心地良さにかまけて目が霞む。
本当は気づいているのに、見て見ぬ振り。
ふと気づけば、もうずっと遠く。
元には戻せない。

やるせない、ぶつけようのない、何とも言えぬどろどろした紫色のモヤが、胸から染み出してきそうだ。

何の話かって?
フレームポンプである。


バイクを振るたびに、バカになった金具がパカパカぶらぶら。
あちこちサビが出てきて、ポンプすればシャカシャカと、サビがこそげ落ちる音色を奏でていた。
辛くて下を向いた時、いつもトップチューブで踏ん張っている姿を見て、何回励まされた事であろうか。
そんな所も含めて、お気に入りの1本であった。かれこれ、7年も使っていたろうか。


少しずつバネと固定部のゴムが弱くなってきていたのか、先の北海道合宿にて段差を越えた時に、”ばぃ〜ん”と外れてしまった。
「あっ!」と手で掴み戻そうとした時にはすでに、谷底へと消えていた。

心の傷も癒えてきて、新しい物をウキウキしながら探しているが、やはり奴と同じモデルが欲しくなっている。
ポンプは断然、フレームポンプ派である。

なぜ、ポンプの劣化に気付かなかったのだろうか。
答えはかんたん、今年は一回もパンクしていないからだろう。
一回もフレームポンプを稼働させていない。


タイヤは普段の練習からレースでも、iRC TIRE ASPITE PRO WETを使用している。
タイヤの寿命(減り・耐久性)がズバ抜けていて、走行感の軽さ、グリップ力が素晴らしい。バランスがいい、というだけではなく、それぞれが高い性能を持っている。
練習が続く月でも、ひと月は余裕で持ちこたえるし、何よりパンクしない。
長距離・長期間乗ってもゴムが柔らかい状態が続き、その割には、小石やガラス片をあまり拾わない気がする。気がついたらサイドが切れていた、という事も見受けられない。
道路開拓が半分趣味なので、よくグラベルに突っ込んでしまうことが多々有るのだけれども、グラベルでも一回もパンクしたことはない。(あくまで”やむ得ず”です。)


ヤスリ目のトレッドパターン。
レースにおいて、ハイグリップにより安心してカーブを攻められて、今年は落車をしていない。また、軽量性により走行感も非常に軽くなっている。



センターがスリックで、走行感の軽さと耐久性を高めた、ASPITE PROもラインアップ。


クリンチャータイヤなので、チューブを入れて使う。


FORMULA PROシリーズもある。
iRC TIREといえばチューブレスタイプ(車と同じようにチューブがない)のパイオニアとして、チューブレスタイヤの開発にも力を入れてきた。
フランスにいた頃は、常に荒れた路面に対応する為に、FORMULA PRO RBCCをレースで使用していた。


センタースリックで、サイドがヤスリ目。
あの路面に喰らい付くような安定感の、快適な走行感も捨て難い。
空気圧を低圧から高圧まで自由に調整できるので、状況に応じてベストな乗り味に変えられるのもチューブレスタイヤのメリットだろう。


非常に耐パンク性が高いチューブレス、故に傷を付けぬように扱いは丁寧に。
ホイールに嵌める際も、専用のタイヤレバーを使用すること。


万が一にパンクした場合に、チューブレスタイヤにはFAST RESPAWNが使用できる。



タイヤを外さずに数分で、パンク修理と空気の補充までしてくれる。
最後に適した空気圧まで空気を入れれば、すぐに走り出せる。


自転車タイヤでは数少ない、安心の”MADE IN JAPAN"
ASPITE、FORMULA PROともに、それぞれの持ち味がある素晴らしいタイヤなので、最後は好みで選ぶことになるだろう。

フレームポンプも次で4本目になるか...
もう、次で最後にしたいよ。

iRC TIRE
井上ゴム工業株式会社

コメント

  1. 以前も同じようなコメントを残しておりますが、タイトルと前振りから本題にどう繋がるのかとても楽しみなので、今回も一体何の話だ笑笑とワクワク?しながら読んでしまいました(*^o^*)
    フレームポンプの件は残念ですが、然し乍ら其れ程パンクが発生しないとはiRC TIRE凄いですね!
    詳しい事は分かりませんが、ロードバイクのあのタイヤの細さをみるにママチャリやオフロード系よりは繊細でパンクし易そう…と思っておりましたところ、先日の熊野古道ヒルクライムでもパンクされた方用のリアタイヤ予備が足りるかどうかなどの無線がちらっと聞こえてきたので、やはりロードバイクはそこそこパンクが起きるのだなぁと一人で納得しておりました
    そう考えると、フレームポンプの出番が失われる程パンクが起きないというのは素人目にも凄いと思います

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    1. ASPITEには本当にビックリします。
      センターもなかなか減らないので、乗り心地が変わらずに、長く乗ることができます。

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